彼岸花

■彼岸花の季節になりました。彼岸花は花を咲かせ、蜜を出して昆虫を集めても、昆虫を利用して受精して実を結ぶことをしません。では、どうやって増えるか。地下茎で広がっていきます。彼岸花は与えるためだけに花を咲かせ、蜜を出すのです。

 「与えるほうが幸いである」(使徒20・35)が主の教えです。聖書は「ばらまいても、なお富む人があり、正当な支払いを惜しんでも、かえって乏しくなる者がある」(箴言11・24)とも語っています。

■先週、盛岡であった話。インコが飼い主の家から飛び去ってしましましたが、それが飛び込んできて保護した家の人から無事飼い主の元に戻りました。なぜ保護した家の人は飼い主がわかったと思いますか。インコが自分の名前と住所が言えたからです。

  主は言われました。「子らはわたしが大きくし、育てた。しかし彼らはわたしに逆らった。牛はその飼い主を、ろばは持ち主の飼葉おけを知っている。それなのに・・・わたしの民は悟らない」(イザヤ1・2、3)。
 自分の造り主の元から離れ去り、自分の存在意味を見失い、自分のたましいの帰る場所がわからないのは悲しいことではありませんか。

■横領、カラ出張、隠蔽などの不祥事が続出して、受信料支払い拒否が視聴者の3分の1に達しようというNHKが、「組織や業務の大幅な改革、スリム化を推進する」ために「放送の質を確保しつつ、全職員の約1割1200人を削減」「民事手続きによる受信料強制徴収」という方針を打ち出しました。しかし、NHKのトップや職員の体質は、組織や業務の改革、人員削減で解決できるのでしょうか。それは、不祥事を起こした横綱が、「土俵でいい相撲を取って信頼回復に努める」と言うのと同じ「問題のすり替え」「的外れ」です。車のエンジンの調子が悪いとき、車体を磨いて見栄えを良くしても問題は解決しますか。これではNHKも民営化したほうがいいと言われるでしょう。悔い改めとは、外側の形ではなく、心の内側を変革することです。
 
 主は「あなたがたの着物ではなく、あなたがたの心を引き裂け」(ヨエル2・13)と言われます。心にたまった苦汁を流し出すことから新生は始まります。