農家の出身なので、梅雨の季節には青々とした稲田が懐かしくなります。先日、そんな青田風景がテレビに映ったので見入っていると、意外な言葉が耳に入ってきました。
「農薬が害虫を増やしている・・・」。なぜ?
研究者によれば次のような理由だそうです。稲には害虫が集まります。すると害虫を食べる益虫が集まってきます。そこに農薬を散布すると、益虫が死んでしまいます。しかし、死にそうになった害虫の方は、「これは一大事」と本能的に子孫を残そうとして、通常の倍の卵を産み付けます。農薬への耐性もできてきます。害虫は試練に耐え通して生き抜き、増大する力をもっているというわけです。人間の安易な知恵など、虫にもかなわないようです。
続いて、稲を過保護にしない農家の例が紹介されました。その農家では、10年前、実験的に田を耕さず、苗代を作らずに、直接田んぼに稲の種を蒔きました。その年、周囲の田んぼは日照りや台風で大きな被害を受けたのに、その農家の稲だけは無事でした。種のときから自然の厳しさに委ねられた稲のほうが、災害に強くなるのです。元気に育った稲の姿は、「もっと稲のもつ本来の力に信頼してくれよ」とでも言っているかのようでした。
さて、私の友人がまた新たな試練に巻き込まれました。今回も聞くからに大変そうで、「よくもまあ、次から次へといろんなことが起こるねえ」と同情すると、「またこれで一段と鍛えられ強くされるねって、夫婦で励まし合ってるんだよ」と、信仰を奮い立たせていました。天晴れというしかありません。
試練には遭いたくはありませんが、避けて通れない試練なら、いつかプラスになると期待して立ち向かうべきことを教えられます。一度打ちのめされても、それで終わりになるわけではありません。しぶとい力が身につきます。苦しみのときは、ぜひ詩篇119篇を読んでください。
(2005-06-26)