越前クラゲ

 越前クラゲが日本近海に大量発生していることをお聞きでしょう。大きさ2メートル、その数5億匹。漁業に深刻な被害を及ぼし、死の海に変えています。そうした巨大クラゲの大量発生は中国近海や日本海だけではなく、カリブ海、黒海、メキシコ湾など、世界各海域で見られる現象だそうです。越前クラゲは、以前は、希少な種類のクラゲでした。それがなぜ大量発生するようになったのか。原因は、近年の地球温暖化による海水温度の上昇と、魚の乱獲です(NHK特集11月)。つまり、人間自身が究極的原因なのです。そうです、結局はこれもまた人間の仕業なのですね。

 社会も自然の問題も、その原因をたどれば、すべて人間の欲望と傲慢に行き着きます。強欲で傲慢な人間が、科学技術という金棒を振り回しているのが、今の地球の有様なのだなあと、思わされました。

 教会はもっと聖書から現代社会に希望を語れと、よく言われます。もちろん、教会はキリストにある希望を語り続けます。しかし、人間は自分のしていることを悔い改めるのが先ではありませんか、というのも教会のメッセージです。希望と悔い改めはペアです。切り離せません。悔い改めのない希望は、人間の欲望と傲慢を野放図にするだけで、最終的には自己破壊です。また、希望のない悔い改めは、人を暗闇に閉じ込め停滞させるだけです。悔い改めてはじめて、建設的で現実的な希望が見えてきます。

 さて、12月。心の大掃除の季節です。心に「巨大クラゲ」が浮かんでいるなら、大量発生する前に除去しましょう。「巨大クラゲ」は生温い海でよく育ちます。日本海は寒くなる1月ごろまでクラゲの天下だそうです。私たちはむしろ心を熱くして、心から「クラゲ」を撃退しましょう。そして、聖い神の霊をお迎えしましょう。そうすれば「クラゲ」が繁殖できない心の環境が出来上がります。それが、悔い改めです。クリスマスは悔い改めた心にキリストをお迎えする季節です。