野菜とクラシック

米国ドロシー・リタラック博士が音楽と野菜の生育に関してこんな研究報告をしています。ある野菜畑にはロックミュージックを、別の畑にはワルツやセレナーデを、それぞれ2年の間毎日流して、その生育と収穫具合を観察しました。すると、ロックだけを聞かされた畑では、カボチャにはしわが生じ、トマトは平たくなり、トウモロコシは曲がってしまいました。一方、ワルツやセレナーデの畑の野菜はよく育ち、高い収穫率を記録しました。日本でも、メロンにクラシック音楽を聞かせ育てている農家があります。そうすれば甘みが増すのだそうです。

 野菜がクラシックに感動し、ロックにはストレスを感じるとは驚きです。自然には奥深いところがあるようです。自然にも霊的な波長が影響しているのでしょう。そう考えると、神の創造の神秘さえ感じ、嬉しくなります。きっと野菜はクラシックが好きなのでしょう。好きなものが生長にいいという正しい関係が成り立っているのです。生長には悪いがロックの方が好きということはないでしょう。それが自然です。

 ところが、人間は心や体に良いものが嫌いであったり、悪いものが好きであったりします。心身に悪影響があるとわかっていても止められません。本来、人間も自然の生き物なのですが、自然とズレが生じて、自然な感受性を失っているのです。

 私たちが人生で豊かな収穫、甘い実を結ぶためにはどうなればいいか。それは、心と体に良いものを好きになり、悪いものは嫌いになることです。そのように心の性質、体質が変えられてしまえばいいのです。そのとき私たちは、自然と調和のとれた関係を回復し、人間本来の姿に戻ったと言えます。そのためには、「この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい。」(ローマ12・2)

(2005-04-17)