サラリーマン川柳

毎年恒例のサラリーマン川柳百選が発表されましたので、ちょっと感想を述べます。

 「中吊りで 世間の動きを 勉強し」。世の中のことは、電車の中吊り広告で知れば十分だと思います。本当に知らなければならないことに、関心と時間を注ぐべきです。

 「楽天は 天ぷら屋なのかと 聞く上司」「セカチュウを ポケモンと思う うちの父」程度でいいのだと思います。

 「ペと言えば 母はヨンジュン 父加トちゃん」が何のことわからずともいいのです。

 「娘には ゴルフと卓球 覚えさせ」。すぐに時流に乗る人は、時代に取り残されやすいものです。

 「旅行けば 我が家と同じ 入浴剤」。世の中、どこにでもウソがあることを再認識させられました。

 「つい癖で クラス会でも 鯖をよむ」「勝ち犬と 呼ばれるために すべりこみ」。見栄を張るのが癖になっていませんか。見せかけやうその人生は、いつかはぼろが出ます。

 それにしても、「自分、自分」と自分(個人)のことしか関心が向けられない時代です。「仕事中 取らない電話 取る携帯」「まかしとけ きっと誰かが やるだろう」。自分のことしか考えずにいれば、やがてその報いは返ってくることでしょう。

 「何ひとつ 助けてくれない ヘルプキー」。確かにコンピュータの「ヘルプキー」が役に立ったことはありません。誤ってクリックして出してしまったら、即消すだけです。この世のものは、本当に助けて欲しいときに何の助けにも力にもなりません。
 
 「長い坂 登れば急な 下り坂」。ゴールのない人生で、どんなに努力しても空しいのです。「痩せる術(すべ) 百も知りつゝ 痩せぬ妻」。本当にしなければならないことを知っていても、自分の意志や力ではできません。できないのに、自分の力ですべてなさなければならないと思うから、恐れや不安や、落胆や絶望に陥るのです。

  「負け犬と 勝手に勝負 つけられて」。「勝ち犬」「負け犬」は世の基準にすぎません。時代とともに変わります。

 「世に勝つ者とはだれでしょう。イエスを神の御子と信じる者ではありませんか」(Iヨハネ5・5)。これが、聖書が語る真の「価値犬」です。

(2005-2-20)