キリストを信じて「かいしん」するというとき、回心と改心のどちらを使いますか。
答えは回心です。間違えないように使いましょう。
ワープロの辞書では、回心はキリスト教用語で、「神の道へ心を向ける」という意味だと説明されています。英語ではconversionです。使い方の例としては、「パウロの回心」が載っていました(聖書には出てきませんが)。
新改訳聖書には、「主は彼らの目を盲目にされた。また、彼らの心をかたくなにされた。それは、彼らが目で見ず、心で理解せず、回心せず、そしてわたしが彼らをいやすことのないためである」(ヨハ 12・40)「死んだ行いからの回心」(ヘブル6・1)。新共同訳では、「しかし、彼らはあなたに背き、反逆し/あなたの律法を捨てて顧みず/回心を説くあなたの預言者たちを殺し/背信の大罪を犯した」(ネヘ9・26)、などの例があります。原語は、「悔い改める」「立ち返る」を意味する言葉です。
回心は、心の向きを180度、主に向き返ることです。回心した心は、キリストの血潮によって清められ、聖い霊に満たされ、もう濁ることはありません。これが救いです。
一方、改心は「悪い心を改める」「心を入れ替える」という意味です。英語では、reformationです。例文は「非行少年が改心する」。しかし、自動車のエンジンオイルや金魚鉢の水のように、あたらしいものに入れ替えても、しばらくすればまた濁ってくるのです。ですから、何度も何度も入れ替えなければなりません。改心は人間の道徳的決心です。心は入れ替えても入れ替えても、また汚れます。
改心は、旧約の「家畜のいけにえ」のように、罪を犯すたびに、毎年のように、何度も繰り返してしかなければなりません。完成しないのです。しかし、回心による救いは、キリストのただ一度の十字架の贖いによって完成しています。聖霊に満たされ、もう心を入れ替える必要はありません。受けている聖霊を喜びましょう。