「一つの国家が成り上がっていく」とき、その過程で「国家に中に無数の成り上がり(者)を生み出す」。極度のハングリー精神でのし上がっていく彼らは、拝金主義で固まっている者が多い。実際に彼らが国家を繁栄に導いただけに、彼らの価値観が世の中を動かすようになる・・・と、カンサンジュン氏が『悩む力』の中で述べています。
成り上がりの人たちが富を持ち、社会で発言力が増し、メディアの露出度も増えてくると、人々もこうした勝ち組の話に耳を傾けるようになります。そして、が社会のオピニオンリーダーとなり、その時代の価値観を形成していくのです。
では、クリスチャンも聖書の価値観を世の人に植え付けるために、社会で勝ち組になって、メディアでの露出回数や発言力を増せばいいのでしょうか。いいえ。たとえ勝ち組になってもその影響は一時的です。また、一部のクリスチャンに限られます。私たちは、多くのクリスチャンが参加でき、そして世代を越えて継続するものに力を入れるべきです。
では、日本にプロテスタントのキリスト教が入って150年、今日まで変わらず継続してきたものは何か。それは教会自体です。クリスチャンの日常の信仰生活です。これだけは、時代が変わり、クリスチャンの世代は入れ替わっても、変わりません。私たちは、こうした継続するもので、社会に影響力を発揮することを目指すべきです。
つまり、私たち一般のクリスチャンの生き方が、周囲の人々に素敵だと思われるようになることです。物事に執着しない自由さ、不義不正を嫌う姿勢、明確で不動の価値観・人生観、互いに赦し合う寛容さ、何があっても失われない平安、嘘のない誠実な生き方・・・本来、クリスチャンの生き方は、特別アピールせずとも、それ自体で魅力的なはずです。そうした聖霊から受ける恵みを、日常生活の中で身を以って示しましょう。私たちの一つの言動で周囲の人に影響を与えることをもっと意識して、御言葉を実践しましょう。