『昭和史』(平凡ライブラリー)を著した半藤一利さんが、その終わりに「今の日本に必要なのは何か?」と問いかけて、5つの答えを残しています。
「一つには、無私になれるか。マジメさを取り戻せるか。日本人皆が私(わたくし)を捨てて、もう一度国を新しくつくるために努力と知恵を絞ることができるか。その覚悟を固められるか。二つめに、小さな箱から出る勇気。自分たちの組織だけを守るとか、組織の論理や慣習に従うとか、小さな所で威張っているのではなく、そこから出て行く勇気があるか。三つめとして、大局的な展望能力。ものごとを世界的に、地球規模で展望する力があるか・・・四つめに、他人様に頼らないで、世界に通用する知識や情報をもてるか。さらに言えば五つめ、『君は功を成せ、われは大事を成す』(吉田松陰)という悠然たる風格を持つことができるか。」これが現在の日本には足りないというのです。
あなたは、こうしたものをすべて備えた人物を思いつくいことができますか。そうです。イエス・キリストです。いや、イエスはこの人物像をはるかに越えたお方です。①イエスは神の子としての在り方を捨て、「神の国」を打ち建てるために地上に来られました。②伝統と慣習に縛られた小さなユダヤ社会から大きくはみ出しておられました。③寒村出身の大工なのに、地球規模の大宣教命令を発するだけの大きな展望能力を持っておられました。④その時代だけでなく「終わりの日」まで見通す能力もありました。⑤人の称賛を求めず、父なる神の計画だけを泰然として遂行されました。
つまり、クリスチャンこそ、今日の日本に必要な人物像を知っているのです。本気でイエスを信じますか。ならば、私たちもキリストに倣い、自分の在り方を捨て、「小さな箱」から出ていく勇気をもちましょう。若い人たちは、いや、壮年もこれからの日本に対し、もっと大きな規模で展望する信仰を持つベきだと思います。「終わりの日」の日は近いのですから。