古代マヤ文明の予言によれば、2012年は人類が滅ぶ年なのだそうです。今年は、世界的経済大不況、中東問題、新型ウィルス、さらなる大震災の可能性など・・・人々を動揺させる材料はたくさんあります。そんなカルト的予言にはぴったりな年なのかもしれません。世の中には恐怖を煽り立てる人もいます。それに惑わされる人もいます。それで儲ける人もいます。1973年、五島勉という人が「1999年に人類は滅ぶ」とする『ノストラダムスの大予言』という本を書いて、ベストセラーになり、大儲けをしました。それは映画化され、しかもそれを時の文部省が推薦映画にしたのです。オイルショックや環境問題などで不安な時代でした。
しかし、私たちは社会の不安や恐れに踊らされてはなりません。今年、何が起こっても、落ち着いて主に信頼しましょう。それは、みことばに堅く立ち、真の希望を人々に指し示す機会なのです。
ただ、希望といっても、漠然とした希望的観測を語るのではありません。聖書の言葉から熱く語りさえすれば、真の希望になるわけでもありません。エレミヤの時代、バビロニアによる滅亡の時が迫っているのに、偽預言者たちは主のお告げだといって、空しい希望や平安を語り続けました。主は、「彼らは、わたしの民の傷を手軽にいやし、平安がないのに、『平安だ、平安だ』と言っている」(エレ 6・14)、と叱責されました。彼らは、主の裁きを告げ悔い改めを勧めるべきときに、人々が気に入るような希望、根拠のない平和を語っていたのです。しかし、エレミヤは来るべきユダ王国の滅びに備えるように説きました。それと同時に、70年後には、祖国を復興できるという希望を残したのです。
預言者アモスも、イスラエル王国への裁きを告げ、「あなたは、あなたの神に会う備えをせよ」(アモス4・12)と警告しました。今年、私たちも畏れをもって義なる神にまみえる備えをしましょう。クリスチャンは、混乱する社会の只中にあって、聖なる神の御顔をはっきりと見ることになるのです。キリストの十字架以外、何も役立つものはないと身にしみることでしょう。