自国の恥部を暴き、憂え、悔い改めを訴えることは、日本の社会でも教会でも普通にできることです。しかし、今の韓国でそんなことをすれば、国民のバッシングを受け、無事では済まなくなります。実際、今年、朴槿恵大統領が首相候補に指名した文昌克(ムン・チャングク)長老がオンヌリ教会の講壇から、「朝鮮民族の象徴は怠惰である。神が日本に韓国植民地化を許したのは、李氏朝鮮時代500年を無駄に過ごした民族への試練である」といった趣旨のメッセージを語ると、韓国メディアや国民から「恥知らずで破廉恥だ」と激しい批判を受け、ついに首相就任辞退に追い込まれました。
しかし、実はハヨンジョ牧師はその数年前、同じ講壇から、「影響力をもつ『羊』になれ」という主題で、もっと激しい韓国社会批判、クリスチャン批判をし、悔い改めを訴えていたのです。ハ師は韓国の実態についてこう語りました。
「韓国は国民25%がクリスチャンであり、世界最大の教会があり、世界的に有名な教会も数々あり、また世界的に活躍する牧師も多い。政治家、大学の学長・教授、教育者、研究者、会社社長、スポーツ選手、芸能・文化人、およそあらゆる分野にクリスチャンが進出している。にもかかわらず、社会は不道徳で満ちている。韓国人は平気で嘘をつく。賄賂がはびこり、麻薬に染まっている。飲酒・喫煙率、不倫、中絶、離婚率は世界トップレベル。交通事故率もポルノサイトアクセス率も世界一で、自殺率はOECD加盟国第1位。教会の社会に対する影響力がまるでない。」そして、会衆の中にいる外国人(多くがアジア人)に向かい、「韓国の地がきよめられるように祈ってください」と訴えたのです。
韓国の実情を正直に語り、「祈ってほしい」と嘆願した韓国人牧師は、数少ないのではないかと思います。私は会衆席にあって、ハ師の謙虚さと勇気に感動しました。「この方は本当に韓国を愛している」と。