英国では、傲慢を「人格障害の一種」ととらえ、対策を考える研究が始まっている(「傲慢学会」と呼ばれている)。ビジネス界も、「傲慢」は経営リスクと見て、注目している。これを「傲慢症候群」と名づけ・・・病気ではないが「権力の座に長くいると性格が変わる人格障害の一種といえる」という(朝日新聞150315)。
自分には社会的地位はないし、特別な能力はないし、仕える立場だから、傲慢にはなれないと思ってはなりません。だれもが、学校や家庭や仲間内で小さな権力を振るっており、傲慢になる危険は潜んでいます。傲慢は国家や社会や会社を危機に陥れるだけでなく、家庭や人間関係を破綻させる原因になります。教会では、牧師が「傲慢症候群」にはまりやすく、そうなると教会を分裂させ、崩壊させてしまいます(それゆえ、教会員の皆さんに、牧師を「牧師先生」「牧師様」「先生」と呼ばず、ただ「牧師」と呼び、主に第一に仕え、そして互いに仕え合うようにお願いしています)。家庭では、主婦や子供も小さな権力者になりえます。主婦や子供がことばの暴力やわがままで人を動かしていると、「性格が変わる人格障害の一種」になる危険性があります。
以下は「傲慢症候群」の症例です。「自己陶酔の傾向がある」「何かするときは自分がよく映るようにしたい」「偉大な指導者のような態度をとる。話しているうちに気がたかぶり、我を失うこともある」「王様のように『私たち』と気取って言ったり、自分を大きく見せるため『彼(彼女)は』などと三人称を使ったりする」「自分の判断には自信があるが、人の助言や批判は見下す」「自分の能力を過信する」「いずれ私の正しさは歴史か神が証明してくれる、と信じている」「現実感覚を失い、ひきこもりがちになる」「大きなビジョンに捕らわれ、実用性やコストを度外視して実行する」。他人のことよりまず自分を省みましょう。
「同じように、若い人たちよ。長老たちに従いなさい。みな互いに謙遜を身に着けなさい。神は高ぶる者に敵対し、へりくだる者に恵みを与えられるからです」(Ⅰペテ 5:5)。