日本のインターネットやスマホ(特にゲーム)の依存症人口は、子供、若者、大人を含め500万人を越えるそうです。その数字は、電車に乗っても街を歩いても実感できます。精神科医の岡田尊司氏によると、その深刻さはアルコール依存、覚せい剤依存と同じ症状が非常に似ており、注意力や集中力の低下、無気力、苛立ち、不安、神経過敏、ウツなどを引き起こすといいます。現代の「阿片(アヘン)」といっても過言ではなく、国を滅ぼしかねないとも警告しています。
中国は清の時代、英国がインドから阿片を中国に大量に密輸したため、阿片吸引の悪習慣が中国民の間に広がりました。清は阿片持込を禁止し、密輸取締りを強化しましたが、そのことが原因となって1840年、アヘン戦争が清英の間で勃発しました。清は敗北し、中国は半植民地化され、その後も中国は蔓延する阿片に苦しむことになりました。
阿片のために国が滅びそうになった過去を持つ中国では、現在、ネット依存症に対し国家プロジェクトで取り組んでいます。韓国、タイ、ベトナムでも、児童のインターネット利用は規制されています。しかし、日本は対策が遅れ、むしろ、小さい時からITの世界に馴染んだほうがいいと、スマホを買い与える親が増え、小学生の間でもネット依存が広がっているそうです。(岡田尊司著『インターネット・ゲーム依存症』参照)。ゲーム市場だけで1兆1925億円だそうです(2014年)。
ネット依存症は、たましいをむしばみ、心を病ませ、時間と労力を浪費し、人生を台無しにしかねません。聖書でいえば、古代イスラエル王国に蔓延した「バアル礼拝」のようなものです。この偶像礼拝で、イスラエルは国を滅ぼしました。しかし、滅んで辛酸をなめ尽くし、その後、主なる神に立ち返り、完全に偶像礼拝を断ち切りました。
依存症に陥らず、また陥らせないように、いつも心を見張っていなければなりません。一旦陥ると、痛みを覚悟しなければ立ち返れません。そのことを肝に銘じるべきです。