川崎市の老人ホームで起こった入所者男女3人の転落死は、実は職員の殺人であったというニュースがありました。その職員の言い訳は「手がかかる人だった」ということでした。老人ホームでの虐待、暴力、殺害は許せないことですが、介護現場の現実は「他人事ではない」という声がけっこう多いようです。
ホーム入所者からのこんな声が紹介されていました。「入所者の中には大声で喚き散らす人、たえずヘルパーを呼びつける人、自分が判らなくなってしまった人、思うようにならないとヘルパーの手をかみつく人など、さまざまです。そんな人たちの家族に限って、面会に来ることがありません。食事は終わったのに、食べた感覚がなく『食事を早くください』『死んでしまいます』と大声でわめいている女性がいて、若いヘルパーが優しく対応している姿に頭の下がる思いがしています。」(こんな風に観察できる老人になりたいですね)。
ある本で看護師が、一番大変だった入院患者は女子修道院の院長だったと語っていました。高慢でわがままで、看護師を使用人のように命令し、感謝の言葉もないのです。おそらく、修道院で修道女たちに仕えられ、命令することに慣れてしまったのでしょう。年老いて自分をコントロールできなくなったとき、矯正されなかった性癖がそのまま表に現れるようになるということです。ぞっとします。
兄弟姉妹、私たちは主の弟子です。「あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えよ」(マタイ4:4)とあるとおり、まず第一に主に仕えましょう。また、「愛をもって互いに仕えなさい」(ガラ5:13)とあります。仕えられるより、仕えることを喜びとしましょう(ただし、牧師を特別視して仕える必要はありません)。誰しも老いれば人の世話になりますが、手のかかる、自己中心のわがまま人にならないように、若いうちから御言葉の訓練を受けるべきです。「聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です」(Ⅱテモ 3:16)。