全国制覇7度の名門PL学園野球部が廃部の危機にあると報道されています。原因は部員の不祥事だと言われていますが、実際はPL教団の信者数激減なのだそうです。1990年に約180万が2014年には90万に近くにまで落ちています(自称なので、現実は数分の1以下)。
先月出版された『宗教消滅』(島田裕巳著・SB出版)によれば、同期間に、立正佼成会も霊友会も半減、天理教は3分の2、創価学会も衰退しています。また、既成宗教の高野山、身延山、あるいは古刹の法隆寺なども参拝者が激減しています。神道系やキリスト教会もそうです。私が高校2年まで所属していた生長の家は、当時400万人と豪語し、政治家まで国会に送りこんでいたのに、今は自称でも80万となり、本部も東京原宿から小海線の山中に移りました。私の学生時代に勢いのあった統一教会も自称5万人にまで減りました。
20世紀後半の高度経済成長とともに御利益的な教団・宗教を増やしてきましたが、経済の停滞、個人主義、信徒の高齢化、オウム真理教のサリン事件などが、宗教離れを引き起こしているようです。
著者島田氏は、信徒が高齢化した宗教団体はほどなく消滅すると予告します。それはキリスト教会も例外ではありません。日本の8000あるとされる教会も高齢化が進んでいるからです。60~70代が中心の教会に、若い世代が集いたいとは思いません。礼拝のかたち、雰囲気、メッセージの内容も年配者向きです。少人数の若い人が新しいことをしようと思っても、古い世代が多数を占める役員会には通りません。このままでは10年後には、教会数は激減し、牧師のいない教会が激増すると予測されます。
要するに、日本の宗教団体もキリスト教会も、次世代への継承に失敗しているのです。かつて、教会学校の生徒は平均30人でしたが、今は5人以下で、教会学校のない教会も増えています。その数少ない生徒も中学に上がると、部活などで教会に来なくなります。それに対し、有効な対策をとってこなかったことが教会衰退を招いてしまいました。