世界に存在する菌は150万種。サルモネラ菌など、害を与えるものもありますが、乳酸菌など、食生活に欠かせないものもあります。
教会塾では、「アオカビvs納豆菌」対決の実験をしました。培地(寒天、コンソメで作ったゼリー)に置いて、より広がったほうが勝ちです。皆さんは、どちらが勝つと思われますか?
興味深かったのは、広がるための戦略が、両者で全く異なることです。
アオカビは、賢い武器を二つ持っています。第一に、抗生物質です。ペニシリンを出して、周囲の菌が細胞壁を生成できないようにします。攻撃して他を動けないようにさせてから、陣地を広げるのです。第二に、胞子を飛ばすことです。カビは、花のような部分から胞子を飛ばして飛び地を作ります。そうすれば、多少戦況が不利になっても、別の場所で繁殖できます。アオカビは言わば、銃と特殊部隊を持っているのです。
一方、納豆菌には、武器はありません。他の菌を倒す物質も持たず、胞子を遠くに飛ばすこともありません。強みは、第一に繁殖力です。1個の菌が16時間で40億個にまで増えます。とにかく、増える。それが、最大の戦略です。第二の特長は、耐える力です。強い酸性である胃の中でも、生き残れます。-100℃でも100℃でも死滅しません。極度に過酷な環境では、「芽胞」というカプセル状態でじっと耐え忍び、良い環境になったら再び増殖を始めます。
「賢い武器を備えたアオカビ」と、「ただ増える・耐えるの納豆菌」。勝者はどちらか!ということで、勝ったのは納豆菌でした。しかも、圧勝です。アオカビも頑張って胞子を飛ばしたようですが、納豆菌の海に飲み込まれてしまいました。
「この福音は、あなたがたが神の恵みを聞き、それをほんとうに理解したとき以来、あなたがたの間でも見られるとおりの勢いをもって、世界中で、実を結び広がり続けています」(コロサイ1:6)。私たちも、賢い戦略より、「ただ増える、耐える」で、神の国を広げたいですね。(新田優子)