ふんわりとした雰囲気から

80年代、私は『スクール☆ウォーズ』という人気テレビ・ドラマに影響を受けました。山下真司さん演ずる熱血教師が、荒廃した高校のラグビー部を、全国優勝へと導いてゆくというストーリーです。実在の学校をモデルとしており、当時何度も再放送されるほど人気を博しました。

「人の心を思いやるということ。それが愛というもんや。人を信じ、待ち、許してやること」「ワンフォアオール・オールフォアワン(1人はみんなのために、みんなは1人のために)」「信は力なり」など沢山の名ゼリフが、中学生だった私の心を揺さぶりました。

印象深いシーンは、イソップと呼ばれる少年が余命宣告され自暴自棄に陥った時、「僕はなんのために生きているのか?生きてる意味が知りたいんだ!」と叫ぶシーンです。友人でワルの大木大介は「んなもん、生きてるから生きてるんじゃねえかよ」と答えますが、イソップは「僕は犬、猫じゃない!」と返します。

結局、その場にいた教師は誰も答えることができず、翌日職員会議で話し合われることになります。監督は「ノーサイドの笛がなるまで全力で生きること」と言い、校長は「愛する人のために生きる」と言います。そのまま校長の意見が尊重され、ふんわりとした雰囲気のまま、ほどなくイソップは他界してしまいます。

私もイソップ少年のように、何のために生きているのか、答えの出ないままふんわり生きてきました。しかし今は、イエス様と出会い、信仰が力となり、イエス様の愛に応答する喜びを感じ生きています。

この1年余り、コロナ禍のために教会全体では集まることができないでいます。しかし、ワンフォアオール・オールフォアワン、1人1人がみんなのことを想い、みんなで主のご栄光を現していくという目的のために、教会全体で一致していきたいと思います。そして、1人でも多くのイソップ少年に、キリストの愛を伝えていきたいと思います。(根本一生)