世界には仏教、イスラム、ユダヤ教等、様々な宗教があります。その中で私達クリスチャンは、イエス・キリストを信じる「キリスト教」を、唯一正しい宗教として信仰しています。しかし世界には、複数の宗教を同時に信仰する、という方法があります。
例えば日本では、古来より仏教と神道を同時に信仰する「神仏習合」が行われてきました。実際、寺と神社が同じ境内に存在することは普通のことです。正月は初詣に行き、お盆は仏壇の前で手を合わせ、12月はクリスマスを祝うことは、大半の日本人が行っていることです。むしろ唯一の神のみを信じる私達の方が珍しいのです。
私自身の話ですが、修学旅行時に神社でお参りをしなかったことは、友人達にとって非常な驚きだったようです。「『そんなこと気にするんだ。』とその時は思った。」と後に言われました。
さて、少し古いですが『クーリエ・ジャポン 2012年8月号』によると、世界では「既存の様々な宗教から自分の気に入った教義を持ってきて繋ぎ合わせた、自分オリジナルの宗教」を信仰する人々が増えているそうです。彼らはおそらく「自分はそれなりの信仰を持っている」と思っているのでしょう。「多様性を重んじていて素晴らしい」と思っているのかもしれません。
しかし考えてみると、彼らは自分自身で教義を決めているのですから、実際には「オリジナル宗教」ではなく「自分」を信じているのです。まさに士師時代のイスラエル人が「めいめいが自分の目に正しいと見えることを行っていた」というのと同じです。彼らが行っているのは結局自己満足、自己欺瞞であり、残念ながらその信仰は彼らに正しい道を示し、彼らを救うことはできません。
私達はイエス・キリストのみに望みを置けばよく、他の宗教(や思想)から何かを持ってきたり、それに合わせたりする必要はありません。
「結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ。神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである」(伝道者12:13)。私達はこの言葉を胸に刻んで生きていきたいと思います。(松田一真)