別れ

9年ほど前、三男の出産後に腰痛がひどかったので、地元の整体に通うようになりました。そこで女性の整体師Sさんと出会いました。施術が上手で、頼りにするようになりました。

7つほど年下でしたが、何回か通ううちに、色々な話が弾むようになり、興味のある分野も似ていたので仲良くなりました。とはいえ、しばらく行かない時期もあったので、その関係の発展はゆっくりでした。私がクリスチャンであることは話していて、神さまのことを話し、お祈りしたことも何度かありました。それでも変わらず慕ってくれて、何度か家にも遊びに来てくれました。その度に一緒に食事をし、夜遅くまで色々な話をして、子供たちもなついていました。

 Sさんは北海道の出身で、ご両親やお姉さん家族のことをよく話してくれました。家族思いなのだな、と感じられました。すると数か月前、4月いっぱいで25年住んだ東京を離れ、北海道で整体院を始めることにした、と言うのです。驚きましたが、最後に家に来てくれて、その日には将来のことなどを沢山話すことができ、最後にお祈りして涙ながらに別れました。

 Sさんはとてもさばさばしていて、しっかりとした女性でしたが、一人で東京に出てきて、身寄りのない生活は寂しかったのかもしれません。そんな中、時々とはいえ、我が家との交流が心の支えになっていたのなら、私たちはキリストの光としての役割を果たせたのだと思います。

何度か誘ったものの、教会には来ることはありませんでしたが、その交わりにイエス様がいてくださったなら、いつか芽が出ることもあると信じて祈りたいと思います。必ずそのうち北海道に訪ねたいと思っています。  日々の生活は忙しく、思うように人と時間をゆっくり過ごして福音を伝えることはできなくても、時々しか行けなかった整体にてこのような交流が与えられ、Sさんと繋がることが出来たことが感謝です。別れは悲しいものですが、これからの主のみわざに期待して祈り続けます。(きのつらユキ)