賛美には、幾つかのスタイルがあります。バスデンという人の分類によれば、GCCの賛美スタイルは、プレイズ・アンド・ワーシップと、トラディショナルの混合型のようです。ただ、スタイルに関わらず共通していることは、賛美は、神様、人、自分の3つの方向に働きかけるということです。
・神様に向かっては、賛美と祈りと信仰告白、恵みに対する応答となる。
・人に向かっては、教え、証、信仰告白となる。
・自分に向かっては、教え、証、黙想となる。
このように考えると、賛美の奥深さに驚かされます。賛美は、私たちが神様とつながり、祝福にとどまり、喜びをもって礼拝を捧げ続けられるように、神様ご自身が与えてくださった恵みなのです。
さて、モーセは、ヨルダン川の対岸に約束の地カナンを臨むモアブの荒野で、新しい世代であるイスラエルの全会衆に、長いメッセージを語りました。このメッセージは、新しい世代への祝福の継承であり、モーセの遺言でもありました。テーマは、大きく分けて二つです。
1.イスラエルの戦いは主の戦いである。2.主の教えを忘れるな。
次の指導者ヨシュアへの任命も、この時に行われました。そして、メッセージの最後がモーセの歌です。主は、モーセに命じられました。「次の歌を書きしるし、それをイスラエル人に教え、彼らの口にそれを置け。この歌をイスラエル人に対するわたしのあかしとするためである。」(申命記31章19節)
モーセはイスラエルの全会衆に聞こえるように、モーセの歌(申命記32章)を唱えました。良く通る声で朗々と歌ったのではないかと想像します。賛美は、不思議と耳や心に残りやすいものです。モーセの歌も、民の心に刻まれたのではないでしょうか。そして、モーセの歌には主の愛が余すところなく表れています。何としてでも、イスラエルに神の国の祝福を継承させ、神の国を広げるという主のご決意が込められています。
そして、この歌は信仰によりイスラエルに接ぎ木され、神の民となった私たちに贈られた歌でもあるのです。是非モーセの歌を朗読してみて下さい。私たちもこの歌を心に刻み、次世代に歌い継がせていきましょう。(松田智子)