神の国の文化「愛」(1) 「愛がすべての価値の土台」

神の国とは神の統治であり、神のご性質(聖、愛、義、全知全能の力)が浸透していることを意味します。Iコリント13章は、その中でも愛を取り上げます。キリストは「あなたがたに新しい戒めを与えましょう。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」(ヨハネ 13:34、15:12、17)と命じられました。愛は、神の国の文化の基礎をなしています。
<1-3節> 愛がないなら、無意味、無価値、無益
パウロはここで、驚くべきことを言い切っています。愛がなければ、どんな崇高なことをしようと、すべて虚しいと。この世での成功、富、名声、知識、地位はもちろんこと、道徳的行いや自己犠牲的な努力や、そして賜物や霊的洞察や完全な信仰さえも、一切無価値、無益だというのです。それらは、人間存在に何の意味も保証も与えないのです。なぜか。「いつまでも残るものは信仰と希望と愛」であり、「その中で一番すぐれているのは愛」だからです。愛だけが人間のすべての行いや所有に永遠の価値を付与します。
ここでいう愛とはキリストによって示された「神の愛」のことです。神の愛は無条件で無償の愛、永遠の愛です。人間から出た愛は無条件の愛ではありません。いつかは終わってしまいます。途中で終わってしまうような愛は、最初から愛ではないのです(8節)。ですから、人間が自己中心的に、自分の益のために、条件付で、ある期間、人を愛しても、何の価値もありません。
私たちの存在の尊さと人生の価値を保証するのは、神の永遠の愛だけです。主はイスラエルに「わたしの目に、あなたは高価で尊い」(イザヤ43:4a)と言われました。イスラエル自体で尊いのではありません。主に愛されているから尊いのです(4b)。神の愛を離れたら、尊さの保証を失います。それは私たちクリスチャンについても同じです。
神に愛されているから尊い、神の愛に基づくすべての行いや営みには永遠の価値がある、これが神の国の文化です。神の国とは、神の愛にとどまることです。