日本の真珠湾奇襲で始まった太平洋戦争初期、日本の潜水艦9隻がアメリカ西海岸でタンカーや商船を沈没させ、カリフォルニアのサンタ・バーバラの製油所を砲撃するなど、アメリカを混乱に陥れました。この時期は、空母の数も日本のほうがまだ多く、日本連合艦隊はアメリカ本土を攻撃しようと思えばできたのです。しかし、連合艦隊司令長官・山本五十六はその時を逸しました。そのことを、真珠湾攻撃・空襲部隊の総指揮官であった淵田美津雄は悔しがっています(戦後はキリスト伝道者になった)。
そのとき、士気が上がらないアメリカ国民に、元気を与えたのは、James Harold Doolittleが進言して遂行した作戦でした。1942年4月18日、空母ホーネットから16機のB-25 を飛び立たせ、東京を空襲したのです。与えた損害はlittle(少し)でありました。しかし、米国民には大きな勇気を与えました。そして、山本五十六の矜持をいたく傷つけました。
これ以降、米軍は士気が上がり、勢いを挽回して行きました。もちろん最初から、米国のほうが、工業力、武器、弾薬、食糧、石油などエネルギー、物資、通信技術など、何をとっても勝っていたのですが、国民が奮い立たなければ、戦いには勝てません。Doolittleは、その国民を奮い立たせる役割を果たしたのです。淵田もDoolittleの策を高く評価しています。
私たちはサタンの国との戦いにありますが、私たちの主はすでにサタンに勝利されました。しかし、私たちはサタンの戦術に惑わされ、欺かれ、打ちのめされてしまい、元気を失いやすいのです。主は言われました。「あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです」(ヨハネ16:33)。大切なのは、自分の信仰を働かせて、小さな勝利でも味わうことです。その小さな勝利から大きな勝利へと導かれていきます。戦争は悪ですが、歴史からは学ぶべきです。