スコット・ブラウン師はアメリカ生まれのユダヤ人。1989年からワシントンDCでメシアニック・ジュー(イエスをメシヤと信じるユダヤ人)の集会に加わり、2008年からニュージーランド(NZ)に移って、セレブレート・メシアNZを設立。メシアのメッセージを、そのメッセージを伝えた元の人々(ユダヤ人)に伝えています。
アメリカには500万のユダヤ人、NZはわずか7千人(全人口470万)。なのになぜわざわざNZでユダヤ人伝道を始めたのか。師の住む南島は120万人、その島に毎年240万人の観光客が訪問、その中に数千人のユダヤ人がいます。多くは、兵役を終えた若者です。彼らは、兵役中、友人が傷つけられたり殺されたりするのを目撃しています。祖先アブラハム、イサク、ヤコブの神を見失い、ポスト・モダンの思想に染まった魂の放浪者でもあります。彼らは文字通りバック・パックを背負い、お金を節約してNZの自然を巡り歩いています。
ブラウン師らはそんな彼らをBBQに誘い、宿泊を提供するのです。彼らはNZの壮大な自然に触れて心が解放されています。NZは、エルサエムからすれば「地の果て」(使徒1:8)です。そこでユダヤ人や、ユダヤ人を愛する人々に招かれて、温かいもてなしを受けるのです。そうして、母語のヘブライ語でアブラハムの神の話、キリストの福音が語られます。イスラエル本国では、ユダヤ人に伝道することが許されていませんし、家族の監視やしがらみもあります。しかし、NZでは自由です。多くの若者が心を開き、耳を傾けてくれます。
この働きには、600のNZ人のクリスチャン家庭がホストに登録しているそうです。パウロは、異邦人がイエスを信じ、神の国の祝福を享受することによって、「ユダヤ人に妬みを引き起こさせて、その中の幾人かでも救おうと願っている」(ローマ11:14)と述べていますが、それが現実になっているとブラウン師は言います。アブラハムの子孫(ユダヤ人)を祝福する者は祝福される(創世記12:3)という約束に基づく働きです。
日本にも毎年37000人のユダヤ人が来ており、すでにセレブレート・メシアNZに似た活動が、小規模ながら始まっています。GCCでも考えたいと思います。