超正統派の安息日

超正統派の男性が腎臓移植を受ける順番が来たが、安息日で電話に出ないため移植責任者の女性が夫の警官に相談。警察がパトカーで男性を自宅から病院に搬送する珍事態に。手術は成功したという。(エルサレム・ポスト190303、シオンとの架け橋)  この記事から、イスラエルの超正統派の信仰生活が垣間見られます。 まず、安息日には電話は使わないということです。彼らの携帯電話はいわゆるガラケーです。それが律法に適ったケータイで、コーシャフォンと呼ばれます。つまり安息日の製造ではなく、安息日には使用しないケータイです。スマートフォンは、ウェブサイトの余計な情報が入り込んでくるので使用禁止です。ガラケーは超正統的なのです。 次にわかることは、安息日であっても、安息日を守らない人が超正統派の人たちの代わりに「働く」ことは問題ないということです。電話も、誰かが彼らに代わってかけたりとったりすることはOKです。それが異邦人であっても無神論者であってもかまいません。  また、超正統派の人は安息日に自分では車の運転はしませんが、乗せてもらうことは大丈夫なようです。彼は手術を受けることや、警官が安息日にパトカーを運転することには抵抗していません。  彼らは、安息日をこのように過ごすことを苦痛には感じてはいません。むしろ喜びにしているそうです。しかし、周囲の人たちにとっては、身勝手で、面倒くさい人々でしょう。律法主義にも見えます。しかも平日も労働せず、国の生活保護で養われているのです。  ところで、彼らは現代のパリサイ人といわれますが、その役割はナジル人なのかもしれません。聖書時代、ナジル人は酒を飲まず、髪やひげを伸ばし放題にしていました。ちょっと風変わりな人の存在は、イスラエル人が「主の聖なる民」であることを思い起こさせるという意味もありました。同様に現代の超正統派も、黒尽くめの衣装をまとい律法を守ることで、結果的に?ユダヤ人は主の民であることを想起させています。