ブームは必ず去る

 「ブームの去らない市場はない――これを頭に入れておくこと」。これは、最近知り合いから読んでみてと渡された「経営原則」の本の一項目です。

 時代の流れの中で結んでは消えていく泡のような流行は、人間の本質的な必要から生まれたものではなく、一部の仕掛け人によって市場調査の上で仕組まれたものです。テレビ・雑誌で情報さえ流せば、即ブームになっていくといいます。何しろブーム作りの専門家たちが知恵とお金を出し、ブームになる前からブームになっていると宣伝するのですから、多くの人が吟味することなく、それに動かされてしまうのです。でも、冷めるのも早く、いつのまにか何事もなかったかのように静まってしまいます。ですから、流行に疎い人々は、そんなものがはやったことさえ知らない有様です。

  流行に手を出すのは悪いわけではありませんが、乗せられるのは禁物です。ついつい乗せられてしまうのは、自分が本当に必要としているものが何なのか、自覚ができていないからだと思います。「なくてはならないただ一つのもの」(ルカ10・42)をしっかりと握って確信があるなら、だいたい本物と偽物の区別ができるはずです。

  キリスト教界にもさまざまなブームがありました。可能性思考、自己実現、自己愛、心理学的カウンセリング、第三の波・カリスマ運動、地域霊、ゴスペル音楽・・・・今後もいろいろなブームが起こるでしょう。こうしたブームの担い手は、福音伝道のためという真摯な願いをもっているのだろうと思います。しかし、残っていくのは、聖書から出てきた本物だけです。聖書的ではない偽物に動かされると、徒労と虚しさだけが残ります。

  使徒の時代から今日まで変らず続く大切なこと、御言葉と祈りを第一にしていれば聖霊による洞察力が高まり、何がブームになっても、惑わされることはありません。

(2004-9-12)