読解力

5月、トランプ大統領がコロナ感染者の治療方法をめぐり、「消毒液はあっという間にウイルスに効くようだ。注射したりできないものか」と発言したことから、米国民の間で消毒液の誤用が増えたという報道がありました。6月には同国民の4割近くが感染予防しようと、洗剤で食品を洗浄するなどの誤った使用法をしたという調査結果を公表されました。うがいをしたケースもあったようです。これに対して、トランプ大統領は「責任をとらない」とコメントしています。

 読解力のなさがこのような誤用を招いた一因と言われます。確かに、大統領は「消毒液を注射したり服用したりすれば効く」とは言っていません。その発言は不用意ですが、国民の読解力のなさが問題なのです。

 でも、日本も安心してはいられません。経済協力開発機構(OECD)による15歳の読解力調査(2019)では、アメリカ13位、日本は15位という結果が出ているのです。2015年は日本が8位、アメリカは22位でした。日本の低下は顕著です。

 読解力とは、書いてあること、相手の言わんとすることを、まずあるがまま理解することです。要するに国語力です。読解力はすべての学習の基礎です。読解力が低いと、コミュニケーションや日常生活に支障を来たすことになります。自分勝手な思いなしで、誤った受け取り方をします。

子供のうちに、読解力を身に着けることはとても大切です。外国語力より国語力です。人により能力は異なりますが、まずは読解力習得を優先にして時間を注ぐべきです。個性も、読解力を欠けば、ただの独りよがりになります。

 特に神の言葉に立つキリスト者にとって、読解力は必要不可欠です。聖書を読んで正しく理解できなければ、正しい信仰の成長が期待できません。感受性、適用力、想像力、創造性も大切ですが、読解力がなければ、自分に都合のいいように解釈してしまいます。異端の教えに流されやすくもなります。

 研究者の調査によると、本をたくさん読みさえすれば、読解力が育つのではないそうです。むしろ一文一文を丹念に読んで、文字通りに理解しようとする努力が読解力を育てるのです。つまり、毎日、デボーションノートを続けることが、最も効果的と言えそうです。 ~