今年も春がやってきた

桜、入学、花粉症。春といえば何を思いますか。

我が家の長男にとっての春は、トカゲが冬眠から目覚める季節。2年前の夏、近くの草むらで見つけたトカゲを大事に飼い続け、去年初めて越冬させたヒガシニホントカゲのその名はヒガテー。冬眠中も細めに土に霧吹きをし、水替えをし、大事に見守り続けてきたヒガテー。

年が明けると、「あと何回寝たら春?」「早くトカゲに会いたいなー」「冬の次が春だよねぇ」。そんな会話が繰り返される日々。3月に入り暖かい日が続くようになると、ヒガテーに会いたい熱は高まる一方。いつ目覚めてもいいように、飼育ケースに専用の砂を敷き詰め、手作りのトカゲハウスを設置し、水入れを整え、今か今かと待ち続け、ついに訪れたヒガテー目覚めの日!いつもの草むらでトカゲが出て来たことを確認して帰宅すると、我が家のヒガテーも晴れて2度目の越冬をしたのでした。

今年も無事に喜びの春がやってきました。寒い日にはスポットライトを当てて温め、お天気の日はベランダで日向ぼっこをさせ、市販のミルワームだけでは栄養が偏ると近くの草むらへ餌取りに出かけ、汚物を綺麗に取り除く。3度の飯よりもヒガテーの世話、と言っても過言でないくらいの長男の行動に、ふと、私は神様をどれだけ愛しているのだろうかと自問するのでした。

目の前に山積みの家事、育児、仕事、雑用に心も時間も使われ、主との時間を後回しにしてしまっている自分。あー、神様ごめんなさい。しかし、同時に、神様はいつも変わらず恵みを注ぎ、必要を満たし、道を整えてくださっていることも感じるのでした。長男が無償の愛でヒガテーを愛しているように、いやそれ以上に、私は神様に愛されている。なんと幸せで平安なことでしょう。長男よ、ヒガテーを愛する以上に神様を愛するのだよ、と心の中でつぶやく暖かな昼下がりのひと時でした。(菅野幸)