教会塾で、エンドウマメの発芽の実験をしています。種の下半分が浸かるくらい水を入れて、三粒置くと、早くも二日で根が出てきました。よく見ると三つとも、根の先がちゃんと水に届いています。はて、と思いました。根が生え出てくるのは、種の上側からだったり、横からだったりいろいろですが、根の先っぽは三つとも、手堅く水の中に入るよう伸びているのです。まるで、「水、飲みたいよー」と手を伸ばすみたいに。植物の根は、水がある場所が、どうしてわかるのだろう?と疑問になりました。
この疑問を研究している人たちがいました。2017年に東北大学が、「植物の根が水を求めて伸びるしくみを発見」という論文を発表し、それが英国科学誌『ネイチャー・プランツ』に掲載されています。
このレポートによると、「植物の根が水分の勾配を感知して水の多い方向に曲がって伸びるために必要なホルモンとタンパク質が、特定の細胞で働くことを、初めて明らかにした」とのこと。要するに、根の先端近くに、「より水分が多いのは、こっち側だ!」と感知する細胞の群れがあって、根はそれらの細胞が得た情報に従って伸びるのだそうです。なんだか、すごいことではありませんか。万物を造られた神は、植物がどんな所でも水を吸って成長できるように、このしくみをひとつひとつの根につけてくださったのです。主はこんなに小さな被造物まで愛しておられるのだなあと感じて、嬉しくなりました。
発見されたこのしくみは、「乾燥地などに応用できる節水型植物栽培法の開発に貢献することが期待される」とありました。「素晴らしいしくみを発見したぞ」「乾燥地の農業に利用できるかも」と感動している研究者たちを想像し、「うちの父ちゃん天地万物の創造主なんだけど、すごいでしょ」と自慢してまわりたくなりました。
「神の永遠の力と神性は、世界の創造された時からこのかた、被造物によって知られ、はっきりと認められる」(ローマ1:20)。この慈しみにあふれた方が父であることを、誇りに思います。(新田優子)