教会塾では、ウクライナで活動している船越真人・美貴ご夫妻の、宣教報告会に参加しました。お二人は加古川バプテスト教会から派遣された宣教師で、オデッサで24年間福音を伝えています。
昨年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻が始まったとき、夫妻は退避勧告を受けながらも、現地にとどまることを選びました。
港オデッサは要衝で、すでに併合されたクリミア半島に近く、激戦地となる危険性が十分にありました。しかし現時点まで不思議と守られ、周囲からの避難民も受け入れるようになったことから、教会は一時避難から6か月後、オデッサに戻って活動を続けました。
戦争の報告は、悲しみがこみ上げるものでした。子ども30万人を含む150万人がロシアへ強制連行されたこと。多くの子どもを含む1000人が避難する劇場を、ロシア軍がそれを知りながら砲撃し、300人が死亡したこと。避難する人々でいっぱいの駅が爆撃され、多くの人々が亡くなったこと。一度占領されたブハからロシア軍が撤退したあと、非常に多くの市民の死体、しかも明らかに虐殺された跡のあるものが路上に転がり、また拷問部屋と呼ばれる場所が多く残されていたこと。ひとつひとつの事実が衝撃的でした。
しかし一方で、クリスチャンとして、これを直視しながら、私たちはロシアという国のとりなしにも、心を向けなければならないと思いました。
現在、船越夫妻の行っているのは一言で言うと、「現在と未来の必要を考えた」活動です。激戦地ニコライエフに食料品や衣服を届けに行く活動。オデッサに来た避難民への食糧支援と福音宣教。また、戦争が終結してのち、兵士たちのアルコール・麻薬依存が増えると予想され、そのために教会ができることを祈り求めています。さらに、教会に子どもたちを集めて勉強を助ける働き。現在のためだけではなく、ウクライナの戦後も見据えながらの奉仕です。
ご夫妻は今、一時帰国中ですが、4月の前半に再びウクライナに戻られます。「イースターに、復活の希望を伝えに行くのです」という言葉が心に残りました。夫妻の姿を通して、私たちが受け取った福音にどれほどの価値があるか、その大きさを見た思いがします。(新田優子)