重ね着

こう寒いと重ね着をしたくなりますが、枚数が多ければそれで暖かくなるわけではないことを、テレビで実証していました。肌着、シャツ、セーター、カーディガン、ダウンのコートの5枚から、セーター、カーディガンを除いて3枚にしても、体表面の変化はまったくありませんでした。重要なのは空気の層を作ることなのだそうです。ですから、ぴったりくっついた着方より、ゆったりと隙間をもたせた着方のほうがいいようです。必要以上の重ね着は重さが体にのしかかって肩が凝り、洗濯物が増えるだけだということがわかりました。

 ところで、自分の言葉使い方にも、不必要な「重ね着」があることを感じました。薄着だと風邪を引かせるし、厚着だと肩を凝らせます。せっかく納得してくれた相手を、余計な言葉を付け加えて、疑わせたり怒らせたりしてしまうこともありますね。

 イエス様も、「祈るとき、異邦人のように同じことばを、ただくり返してはいけません。彼らはことば数が多ければ聞かれると思っているのです」(マタイ6・7)と注意されました。祈りの中で、口癖せになっている言葉や言い回しがありませんか。それは、心を込めた言葉ですか。それとも、ただ習慣的に意味もなく口をついて出ているだけの言葉ですか。そんな言葉なら、「重ね着」をしても聞かれません。

 ことさらに言葉や表現を変える必要はないでしょう。言い慣れた言葉であっても、真実な心が込められた祈りであればいいのです。自分の祈りの言葉を大切にしてください。巧みか拙いかの問題ではありません。信じる心の真実が表されているかです。ぜひ、祈りの言葉の点検をなさってみてください。

 イエス様が言われるように、言葉の繰り返しをするより、端的に、率直に、集中して祈りましょう。聞いてくださる相手は主なる神なのですから。