教会の姉妹から紹介され、建物を愛でて楽しむサイトのライターを始めてから4年が過ぎます。様々な賃貸・売買物件の中から好きなものを探し、自分なりの視点や楽しみ方で紹介するのですが、時々編集長さんから「この物件を書いてもらえませんか」と依頼を受けることがあります。「それほど好みではないな…」と感じる物件でも、NOと言えない人間なので100%引き受けます。最初は苦戦しつつも、それぞれの部屋や間取りをじっくり見て良い所や好きな点を見つけ、周辺環境を調べ、そこでの暮らしを想像し書き上げていくうちに、愛着が湧いてきて、書き終わる頃には「なかなか良い家だなぁ」と思うことが度々あります。
それって、人間関係でもよくあることで、同時に、人間関係を築いていく上で必要なスピリットだな、と思います。最初、苦手かも…と思っても、関わり、話をしていく中で、意外な一面を知って、好感度が増したり、仲良くなったり。その人の良い面を見つける、というのは人間関係では良いことしかない気がします。
教会は、自分の普段の生活圏だけでは出会えなかったような人達に、世代を超えて出会うことができる貴重な所です。当初、苦手な人だらけ、あまり関わりたくない人だらけ、の教会でしたが、今はどうでしょう、ユニークな人だらけ、もっと関わりたい人だらけの場所となりました。おうちに訪問することも増え、招くことも増えました。10年前の自分では考えられないことです。元々「人の家」が大好きなんですが、それは、部屋や暮らしの様子から、その人となりや家族の風景が見えるのが楽しいからかもしれません。教会の色んな方のおうち訪問をさせてもらう中で感じるのは、どこも「愛」がにじみ出ていて(染み付いていて)居心地がいい、ということです。空っぽの家からあれこれ妄想して記事を書くのは楽しいことですが、人の暮らす家や古いお店や建物を訪問した時に感じる温度感の、心地よさや楽しさは、比になりません。
悪い所を見つけては叩くことが多い世の中で、良い所を積極的に見つけ、愛を深めていく家族でありたい、と切に願います。(津山祐子)