上原投手のWBC

 先週、第一回世界ベースボール・クラッシク(WBC)で日本チームが優勝しました。するにはしましたが、まことに首の皮一枚でつながった優勝でした。先々週の2次リーグで、日本は韓国に破れて1勝2敗となり、準決勝進出はほぼ絶望という場面があったからです。イチロー選手はその日を「屈辱の日」と呼び、酒を浴びるほど飲んだといいます。誰の目にも、日本チームは終ったと見えました。しかし、同じ日、他の日本人選手がみな去ったアナハイム・スタジアムで、上原投手だけが残って準決勝に備える練習をしていました。

翌日、奇跡が起こりました。なんと米国大リーグ軍団がメキシコに敗れて、日米墨3国がそれぞれ1勝2敗となり、失点率わずか0.01の差で日本が準決勝に進むことになったのです。転がり込んだ3度目のチャンスで、日本は連敗を喫していた韓国に6−0の完封勝利を収めました。そして、その勝利に最も貢献したのが上原投手だったのです。彼は7回を零封して、勝利投手になりました。

微かな可能性にかけて、あきらめずに、ただ一人練習をした上原投手に、真のプロ意識を見る思いがします。また、その姿勢から、少しでも可能性が残されているなら、あきらめないで備えることを教えられます。

主の御心であると信じるなら、信じているとおり行動に移すこと、それが信仰です。信仰は「目に見えないものを確信させる」力です(ヘブル11・1)。絶望的に見えても、可能性があるかぎり、「失望せずにいれば、時期が来て、刈り取る」(ガラテヤ6・9)日が来ると信じましょう。