苦しみの日に

「この私は、あなたの力を歌います。まことに、朝明けには、あなたの恵みを喜び歌います。それは、私の苦しみの日に、あなたは私のとりで、また、私の逃げ場であられたからです」(詩59・16)。

 ダビデは若い時は羊飼いで、作詞、作曲のできるアーティストでした。やがて「主の戦い」を戦う戦士となり、将軍となり、数々の苦難を信仰で耐え通し、主によって王に立てられました。しかし、気が緩んだ時、自分の優秀な家来ウリヤの妻バテシバを自分のものとし、ウリヤを謀殺するような大罪を犯しました。彼はその罪を即悔い改めて、主に赦されましたが、罪の刈り取りで苦しまなければならない後半生でした。

 しかし、それでも主はダビデのことを、「わたしのおきてと命令とを守って、わたしの見る目にかなうこと」(列王11・38)を行ったと、称賛されているのです。なぜでしょうか。それは、ダビデが常に親しく主との関係を深く保ったからです。

?ダビデは人生の最も苦しい時に、主に語りかけ恵みを喜び歌いました。大切なことは、神について語ることではなく、直接神に語りかけることです。

?ダビデは神の前に正直でした。自分の罪や、自分の心にある感情を(否定的な感情も)隠さずに、率直に神に告げました。

?そして、神の愛と慈しみにしがみつきました。神について知っている性質や約束を言い並べて、憐れみを請い続けたのです。

 主は、そんなダビデがかわいかったのではないかと思います。私たちも、主の前にはかわいいクリスチャンになるべきではないでしょうか。人にどう評価されるかより、主にどう見られるかが、人間存在のすべてなのですから。