アメフト(NFL)のプロ2年目の選手ティム・ティーボウが、今、米国スポーツ界で話題の頂点に立っている。彼は宣教師の家庭に生まれ、心から主を愛するクリスチャンである。スター選手だった学生時代から、目の下に聖句を書いたり、観衆の前で祈りを捧げるなどして、数多くのファンや「アンチ」を集めた。プロとなった後も、「プロでやっていくには実力が不足している」と評され、常に議論の的になってきた。しかし、今季途中から先発に定着すると、技術不足ながらも、奇跡的な逆転劇を起こし続け、地区最下位だったチームを首位と1ゲーム差まで押し上げた。そんなこともあって、先週生出演した全米TVのインタビュー番組は大きな注目を浴びた。
辛口で有名なインタビュアーが、ティーボウに関する否定的な評価を次々と突きつける。しかし、ティーボウは反論せずに、模範的な解答で切り抜けていく。そして最後に、ティーボウの属する球団の元選手による批判が紹介された。「ティーボウのことは嫌いではないが、事あるごとに『私の救い主イエス・キリストが』というのにはうんざりした。他のクリスチャンの選手はみな個人的な信仰にとどめているのに、彼にはなぜそれができないんだ。」
ティーボウはこう答えた。「もし結婚していて、本当に妻を愛しているなら、結婚した日に1度だけ、『愛している』と伝えたらそれで十分でしょうか。そうじゃないでしょ。僕はイエス・キリストをそのように愛してます。だから機会があるたびに、キリストへの愛を叫ぶんです。先輩のことは尊敬しているし、ご意見は尊重します。でも、キリストが十字架で僕のためにしてくださったことを思うと、主に栄光を帰することをやめることはできません。」
スタジオは静まり返った。インタビュアーもそれ以上問い詰められなくなった。私もその場面を見て、自問せざるを得なかった。「私はこれほどにイエス・キリストを愛しているだろうか」と。キリストの愛をもっと深く知り、その愛を表現していくことを使命とすべきだ。この24歳の青年にそう励まされた。