最初の一歩を踏み出す

「よくやった、良いしもべだ」と主にほめられる喜び、そして「やり遂げることができた」という達成感の喜び、この二つがクリスチャンの成長を促します(先週のお話)。

アメリカの日系人教会に、ラミレツ久子さんという方がおられました。ある日、彼女は背中に激痛を覚え、病院に運ばれると、即入院、絶対安静、三歩歩いたら命の保証はないという診断でした。コルステロールが1000に達し、血液が泡立っていたのです。医師もなすすべなく、家に帰らされました。最後の時を家族と過ごすためです。家族は泣きましたが、彼女は永遠のいのちを得ている確信で平安に満ち、逆に家族を励ましていました。

しかし、彼女はそこから奇跡の復帰を遂げます。彼女のしたことは二つでした。一つは、病院で、彼女と同じ状態になった男性が玄米菜食で回復したというビデオを見、彼女も実行したことです。もう一つは、「三歩歩いたら命の保証はない」ということなら、「二歩まで歩こう」と決めたことでした。教会の祈りもあったことでしょう。彼女の最初の一歩はやがて三歩に、三歩が百歩に、そして100mが1kmへと延びて行ったのです。コルステロール値も200代にまで下がりました。ついには、「イスラエル旅行に行きたい」と願うまでになりました。その願いは実現しました。ツアーで同行した私は、彼女がエルサレムの洞窟で「主にお出会いしたのです」と感動の涙を流しておられた姿を、鮮やかに記憶にとどめています。

最初の一歩を踏み出さないから、主の恵みを体験できないではいませんか。主の恵みと祝福は、すでにあなたに用意されています。主に信頼し、自分を打ち叩いて主に従わせ、一歩前に足を出すことで、壁に小さな穴が開いたように、恵みが流れ出始めます。

主はギデオンに言われました。「あなたのその力で行き、イスラエルをミデヤン人の手から救え。わたしがあなたを遣わすのではないか」(士師記
6・14)と。臆病だったギデオンが、その言葉に従い、行動すると、主のわざが始まりました。