シリアのクリスチャン

シリアの内戦は激化し、多くの死者を出していますが、シリアと言えば、パウロが回心しバプテスマを受けたダマスコがあり、最初の異邦人教会が建てられたアンテオケがあります(使徒9章、13・2)。アンテオケは、バルナバとパウロ(サウロ)が最初に活動した町であり、そして信者がはじめて「クリスチャン」と呼ばれるようになった土地です。

「バルナバはサウロを捜しにタルソへ行き、彼に会って、アンテオケに連れて来た。そして、まる一年の間、彼らは教会に集まり、大ぜいの人たちを教えた。弟子たちは、アンテオケで初めて、キリスト者と呼ばれるようになった」(同11・25,26)

 またアンテオケ教会は、聖霊が、「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい」と言われ(同13・2)、みなが断食と祈りをして、二人を第一回宣教旅行に送り出した教会です。

以下はBFPハイメールで送られてきた「殉教者の声」の要約です。

現在のシリアは国民(約2200万)の90%がイスラム教徒、クリスチャンは約6.8%と言われます。イスラム教国ですが、キリスト教徒は「イスラム教徒に伝道しない限り」信仰が保証されていました。しかし、アサド政権が倒れ、もっと厳しいイスラム組織が政権を掌握することになれば、信仰の自由は失われます。今激戦地としてニュースに登場するアレッポやホムス、ダマスカスのような都市部にキリスト教共同体が集中していましたが、国外に脱出したようです。すでに丸ごと消滅したクリスチャンの村もあるようです。オランダのあるグループの調べでは、ホムスの約9割のクリスチャンが家を追われ、近くのクサイルという町でも、毎日モスクからこの地域を離れるように繰り返しの放送があって、およそ    1万のクリスチャンが国外脱出しました。

日本のクリスチャンはこんな内乱や迫害を体験せずにきました。シリアの人々のことを思い、内戦の早期終結のために祈りましょう。